伝説のアニメ「カイバ」の世界
こんにちは、りゅうこつです。
皆さんはどんなアニメが好きだろうか?
…聞いてはみたものの、ここで幅広いアニメについて語る気持ちはサラサラ無くて、今回は私が大好きな作品「カイバ」について紹介したいと思って記事を書いた。
「カイバ」と聞いて「遊戯王かな?」と思うかもしれないが、全く繋がりはない。
見たことも聞いたこともない人もいると思うがそれもそのはず、地上波での放送は無く、誰が見てるのかわからない有料チャンネル「WOWOW」でのみ放送されたアニメなのである。
しかもDVDは3巻セットで3万円(定価)とやたら高額。「そりゃ見ねえよ」という感じだ。
そこで、どうせ今更そうそう見られないアニメなのだから、ネタバレありでその魅力を紹介したいと思う。みんなもこのブログで至高の名作を視聴した気分になろう。
第一話 名はワープ
最初に登場する舞台は多くの人々が暮らす土造りの巨大な村。ここでは主に低所得者が住んでおり、雲の上にある天井都市にはお金持ちが住むという格差社会である。
この世界観で重要なのがこの格差社会と独特な「記憶(魂)」と「肉体」の概念。
この世界では記憶の全部、または一部を自由に違う肉体に移し替えることができ、同じ人格が好きな体に乗り換えられるとも言える。すると楽しい記憶や恵まれた肉体が高額で売り買いされることになるのだ。
前述の地上の村人は貧乏なため、楽しい記憶や自らの肉体をやむを得ず売り払う事があるだけでなく、天井都市が送り込んだハンターによって肉体だけを奪い去られてしまうという境遇である。
すると村には肉体が足りず記憶(魂)が余るという状態になり、余った記憶は特殊なチップに保管され、いつまでも日の目を見られないという悲しい世界だ。
かわいらしい絵柄で誤魔化しているがそこそこ地獄絵図である。
そんな村で、あらゆる記憶を無くした状態で主人公は目覚める。
前述の悲惨な状況を、視聴者と同じ目線で目の当たりにしていくのだ。
不自然なのは、無差別に襲われる村人と違い、主人公は様々な怪しい人物に執拗に狙われ続けること。そしてそんな主人公を守ってくれる謎のガチョウのような生物。
その後、この村のリーダー「ポポ」に手引きされ、巨大な宇宙船に逃げ込むことに成功する。
果たしてポポやガチョウの正体とは?そして主人公は一体何者なのだろうか?
正直なところ、第一話は世界観の説明や膨大な伏線を、やけにゆったりしたペースで描いていくので退屈だ。つ、次から面白くなるからね。
第二話 密航
ポポに助けられ宇宙船に乗り込んだ主人公だったが、ここである異変に気づく。
肉体が変わっている!
実は、ポポは主人公を助けたわけではなく、肉体をある女性(淫乱)に売り払ってしまったのだ。そして主人公は代替の肉体としてムーミンのような人形に憑依して活動することに…
そして、ヒョ〜としか喋れない小さい生物「ヒョーヒョー」が仲間になった。とりあえずは二人でこの境遇を切り抜けねばならない。
2話で印象的なのが、この世界で使われる「体をドロドロにする銃」である。直撃すれば一撃で体がドロドロに溶かされ、チップに記憶を入れている人はチップのみが残り、チップを使用していない人間は記憶の塊がフワフワと飛んでいってしまい、完全に命は失われる。
ちなみに、売られてしまった主人公の肉体は、買い取った女性が自分の記憶のコピーを憑依させることで買った肉体を動かし、セックスにいそしんでいた。しかし、コピーされた記憶はセックスが終われば消去されてしまうので、結果的にコピーがオリジナルを殺害してしまうという顛末。
さて、だんだんカイバの魅力がわかってきただろうか?
第三話 クロニコのながぐつ
宇宙船はある惑星に一時的に停泊。
そこでも貧富の差は激しいようだ。
三話で中心になるのはクロニコというかわいらしい少女。実はこの少女は義理の母親に肉体を売りに出され、残った記憶も処分されてしまうかなしい運命なのである。
戦犯である義理の母親は長らく貧乏な生活をしており、クロニコが重荷になっていたのでせいせいした様子。
長い貧乏生活の中で、楽しかった記憶の殆どを売ってしまっている状態の義理の母は、クロニコを売ったお金で過去の楽しかった記憶を買い戻すことに。
しかし、記憶が戻って行くにつれ、クロニコを実質的に死に追いやったことを後悔し慟哭する。
そう、手放していた記憶の中には、クロニコの実母である姉とのなつかしい記憶、姉が病死する際にクロニコを立派に育てると約束した事、そしてクロニコとの忙しくも楽しかった日々がたっぷりと含まれていたのである。
その記憶が失われたからこそ、クロニコを邪険に扱い、あまつさえ売り払ってしまったのだ。
悲しすぎる。書いてるだけで泣けてきた。ムチャクチャ序盤であるがこのクロニコの長靴はカイバで最も見る価値のあるエピソードである。
ネタバレ後に見てもその悲しさは目に余るのでぜひ視聴してほしい。個人的には大人帝国の逆襲のヒロシ回想シーンに匹敵…いや超えるほどの名エピソードだ。
話を主人公サイドに戻すと、ひょんな事からクロニコの肉体がゴミ山に捨てられてしまう。不憫に思った主人公は以降しばらくの間クロニコの肉体を借りて旅を続ける。
第4話 ばあさんの記憶の部屋
宇宙船の次の停泊先は灯台のある小さな惑星。そこは一人のお婆ちゃんと二人の孫だけが暮らす辺境の惑星である。
3人の仲は良いのかと思いきや、孫達は死んだおじいさんが埋めたお宝を探すのに躍起になっており、その場所はお婆さんだけが知っている。
そしてお婆さんは最愛のおじいさんが死んだことを絶対に認めたくないがために、おじいさんの話題が出た途端に数カ月間も眠ってしまうという特殊な状況である。
そして先日起きたばかりだというのに、おじいさんの話題を聞きまた眠り始めるお婆さん。孫たちに脅され、主人公は道中手に入れた「記憶に入り込む銃」でおばあさんの記憶に潜り込み、宝の場所を聞いてくる羽目になった。
記憶の中の世界でも愛するおじいさんが死んだ事を認めないおばあさん。しかし記憶の世界におじいさんが登場し、おじいさん自ら「わしは死んでしもうたから」とキッパリ。おばあさんは改めておじいさんの死に直面して大泣きしてしまう。
やめて(俺が)また泣くから。個人的には仲の良い老夫婦というだけで泣けるというのに…
私の祖母も夫婦で非常に仲が良かったが祖父は随分前に早死にしてしまっていて、もし今祖母が祖父と再開できたらと想像すると涙が…
私の祖母がどれぐらい祖父大好きかというと、ある日祖母宅でフタが錆びまくっている瓶に塩を保存しているのを見かけ、「なんでそんな汚い瓶を使っているのか」と聞いたことがある。
そしたら「おじいさんが蓋に塩って書いた瓶だから」と言う。フタを見ると確かにかすれたマジックペンで「塩」の字が書いてあった。
悲しすぎてホラーかよ。そういうトラウマがあるから老夫婦ネタはやめてほしい。
カイバに話を戻すと、結局「おじいさんのところへ行きたい」という一心で黄泉の国へ行ってしまうおばあさん。だが最後にお宝の場所だけは聞き出すことができた。
しかし、お宝というのは「おじいさんにとってのお宝」であり、そこには金銀財宝ではなくおばあさんとの思い出の品があるだけだった。お宝も無く、おばあさんも死んでしまって途方に暮れる孫たち…
ちなみに孫たちの親はというと、遥か昔にこの星を出ていってしまっており、正真正銘二人きりになってしまったのだ。
このエピソードのラストシーンは、主人公たちが乗っている宇宙船に忍び込み死亡している二人の孫。
なんでも、灯台の星で長く生活すると他の場所では生きられなくなるらしい。つまり両親も死んでいるということだ。
…このバッドエンドの追い飯って必要か?
もうバッドエンドは十分だわ!つーか救いのある話ないの?
実は全編において救いのあるエピソードやハッピーエンドは(ほとんど)無い。
これがカイバであり、カイバの魅力なのだ。バッドエンドにアレルギーがある人は頭痛や吐き気を催すので見るのはやめよう。
というか祖母のトラウマを思い出して俺に文章を書く気力がなくなったよ!!最初は全12話なので頑張れば最後まで書けるかなと思ったけど、どうやらこのあたりが限界のようだ。
冒頭でDVD高いよと言ったが、最近はネット動画サービスで配信している所もいくつかあるらしいので、上で述べた4話を気に入ったならぜひ残りを見てほしい。まだ物語の核心にはついてないから。
というか3話と4話が最もオススメなのでそこだけでも見てほしい。
5話以降の紹介は気が向いたら書くので、その時まだカイバを見ていない人は読んでいただけるとありがたい。
中地半端になってしまったが、また次回会おう!