りゅうこつの隔離病棟

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りゅうこつと大阪 後編:あいりん地区とドヤ宿と飛田新地編

こんにちは、りゅうこつです。

 前回のブログ(前編:地下のポルノ映画館編)では、大阪の新世界周辺での出来事について語ったが、今回はタイトルにもある通り、かの有名な「あいりん地区」での出来事である。

 

前回の仕事ついでの大阪旅行から数年後、私は無職になっていた。

なぜ無職になったとかそういう事についてはまた別の機会に文章にしたいと思うが、ともかく前回とは時代設定が変わっているということを理解していただきたい。

無職というのにもいろいろあると思うが、当時の無職具合というのは完全に引きこもりニートと同じ生活習慣であり、自堕落な日々を過ごしていた。

そんななか、なぜ大阪旅行を敢行したかいうと、第一は平沢進のライブチケットが大阪公演分しか買えなかった点、もう一つはせっかく無職なら無職っぽさを最も体感できる場所、(つまりあいりん地区)へ行きたかったからである。

 

簡単に「あいりん地区」について説明すると、大阪市西成区の北部に存在し、日本のスラム街と呼ばれ、日雇い労働者やホームレスが集まる街、である。あいりん地区は有名なので、詳しく知りたければ私の浅知恵よりもgoogle検索をおすすめする。

 

まずは大阪救霊会館がお出迎え

かくして、あいりん地区の最寄り駅の一つ、動物公園前駅に到着した。ここから少し歩くとあいりん地区へ着くわけだが、既に「大阪救霊会館」という怪しい宗教施設がそびえ立っている。

 

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壁には刺激の強い啓蒙イラストや、埋め込まれる形でブラウン管テレビが多数配置されており、あまりの荘厳で神聖な雰囲気にものすごく帰りたくなってきた。

現在は何も放映されていなかったが、最盛期はこのテレビに宗教的映像がけたたましく流れていたかと思うと、その光景が見られないことがあまりにも惜しい…

 

あいりん地区のドヤ宿探し

間もなくあいりん地区と呼ばれるエリアに到着したが、見たところゴミもそれほど落ちておらず、ちっともスラム街のイメージと一致しない。新宿や渋谷の方がはるかに不潔に見える。最近はこのような街も改善されてきたと聞くし、かつてのあいりん地区など幻想なのだろうか。

 

そんなことを考えていると、向かいからワンカップ大関を持ったおじいさんがフラフラと歩いてくる。昼間からワンカップ大関をもった浮浪者に出会うことも充分にそれっぽいが、そのワンカップ大関はマッコリのように白濁していた

※あいりん地区の自動販売機は激安な代わりに、ほとんどの飲み物は賞味期限が切れている。日本酒はそう簡単には変色しないはずだが、前述のようにこの地区の人々の一部は白濁した熟成ワンカップ大関を飲んでいるのだ。

そしてもうしばらくすると、意識が朦朧として虚空を見つめ、連れのおじさんに肩を借りながらフラフラと歩いている女性がいる。そしてなぜか別のおじいさんが後ろから延々と罵声を浴びせている。そう、私はあいりん地区に足を踏み入れたのである。

 

目的地についたからには、まずはドヤを探すところから始めなければならない。「ドヤ」とは、日雇い労働者によく利用される激安の宿である。なぜドヤと呼ばれるかというと、あまりに汚く狭く設備も整っていないことから、「宿(ヤド)未満」という意味を込めてドヤと呼ぶらしい。

そして、あいりん地区といえば日本有数のドヤ街らしい。ドヤに泊まらなければあいりん地区を観光したとは言えないだろう。クリープのないコーヒー状態だ。

 

目星をつけていた宿が満室だったりしたが、最終的には「緑風荘」という一泊1000円の宿に決定した。私があらゆるドヤ宿レビューサイトで下調べした感じでは、一泊の料金が1500円前後のものはドヤとは呼べない、普通のキレイな宿になってしまい、逆に500円前後になると布団のシーツが全く洗われていなかったり大量のゴキブリと共存しなければならない宿になるらしい。つまり、1000円が初心者向けかつそこそこ雰囲気の楽しめるドヤ宿だという結論だ。

 

早速借りた部屋を確認すると、予想とバッチリ一致したちょうどいい汚さの宿を引き当てたことにホッとした。布団のシーツは見たところ清潔そうだし、なぜかカーテンが異様に汚れている点と、床に敷かれていたビニール製のゴザをめくると畳が何かの色素で真っ黒だった点以外は許容範囲である。

 

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まだ言っていなかったかもしれないが、私はそこそこ潔癖症であり、布団が汚かったら本当にアウトだったため、みなさんが思っているより緊張していたのだ。ちなみに就寝時は長袖長ズボンを着用したまま、備え付けの枕は使用せず、自分のバッグを枕にするというほとんど肌を触れないという潔癖スタイルで過ごした。

 

宿を探すなか、ネットでは有名な「三角公園」や「四角公園」を拝見することができた。この公園にはホームレスの棲家が多く存在し、廃材を利用した家屋がいい雰囲気を放っている。また、三角公園は運がいいと社会派浮浪者系ロックバンドが荒々しいコンサートを開く可能性もあるらしく、私は見られなかったが、もしこのあたりを通りかかる事がある時は注目していただきたい。

 

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冒涜の都、飛田新地へ!

日も暮れようとして、早速夜の探索の時間である。このあいりん地区のすぐ側にはこれまた一部で有名な飛田新地が存在する。飛田新地とは日本最後の遊郭と呼ばれ、提灯にライトアップされた小さな料亭がずらりと立ち並ぶ町並みであり、その玄関には妖しい美女と、呼び込みのオバチャン。つまり、不埒な男性が気に入った美女をしばしの時間買うのである。

 

そんな非日常を見物せんと宿を出ると、意識の朦朧とした女性が道路に倒れている!そしてそれを揺り起こそうとするおじさんと、延々と罵声を浴びせ続けるおじいさん…

ってこれ着いてすぐの時に見た3人じゃねえか!ゆうに3時間は経っているのに延々と罵声を浴び続けていたのか…!?ともかく、警察署も目の前だし、余計な心配をせずに飛田新地へと向かった。

 

飛田新地は噂に違わず、非常に興奮する光景だった。ライトアップされた若い女性は皆かわいいし、スタイルも抜群。そしてオバチャンの調子のいい呼び込み。この女性が全員(金さえあれば)好きなようにできると考えるとまさに楽園だろう。

載せる画像が無いのが惜しいが、この界隈は全面的に撮影禁止であり、撮影がバレるとカメラを叩き壊されるらしい。行く予定の人はご注意を。

 

ちなみに、風俗レポを期待しているのなら、残念ながら的外れだ。そもそも、このような形で女性を売り買いするというのは、この男女平等の時代、性への冒涜も甚だしい!そして私は現在無職なのだ。無職なら無職らしく、省エネのためにできるだけ身動きせずに過ごすべきだ。つまり、ここは見物だけにして、大人しく宿へと戻らなければならない。

 

総括

その後ドヤで一晩過ごし、翌日はスパワールドという巨大浴場テーマパークを満喫したり、前回とは別のレトロ映画館で任侠モノ映画を見たりと、心ゆくまで大阪を満喫した。細かい部分は端折ったが、個人的には満足の行く旅行に仕上がった。

 

そして、特筆すべきはその旅費の安さである。外国人観光客が増加の一途をたどり、宿泊費もうなぎ登りな昨今、その宿が1000円で済んでしまったのは大きい。改めて交通費を除いた今回の出費を計算してみよう。

 

  • 宿代:1,000円
  • 食事代:合計3,000円程度
  • スパワールド入場料:1,800円
  • 映画チケット代:1,500円
  • 飛田新地での出費:16,000円

合計 2万3千300円!!これは安… あれ?なんか思ったより出費しているような…???

 

まぁ細かいことはいいや。ともかくあいりん地区は退廃的なものが好きな人にはおすすめできる。まぁ、何かあっても責任取らないけどね。それではまたいつか!